事務室の窓から外を見ると、既に夜の帳が薄紫色の空を映していた。
窓とは反対側の壁には事務員用と思われるロッカーがあった。8つあることからおそらく8人の事務員が勤務していたと思われる。その右側から2番目のロッカーの下の隙間から透明な液体が少しずつ流れ出ており、それは事務室の床に大きなしみを作り、落ちている書類を濡らし始めていた。
そのロッカーだけ鍵がかかっていないらしいことがドアの隙間の大きさから伺える。