階段の怪談

そーですねー、あれは今さっき起こった話なんですがね
やれ気の合ったモン同士で吸血鬼の住むっていう噂のある館に行って、吸血鬼を退治してやろうぜって
盛り上がってしまいましてねぇ・・・
でもって、仲間同士であーでもねぇーこーでもねーと言い合いながら勝利し続けてきたんですがね、ええ
どーもやーな予感がするんだぁコレが。
おかしいなぁ、俺疲れてるのかなぁ(出血量が多すぎて)
なんて思いながらふぅっと視線を上に向けると
なんとそこにその吸血鬼がいるじゃないですか
アタシゃそれ見た途端ドキィッとしましたがね、
妹のことを思うとここで逃げちゃいけない!と思ってソイツに向かって階段を登ったんですよ、ハイ
したらば、これがおかしい。
何がおかしいって、わかります?
ソイツは階段を上がりきったところに居るんですよ。
んだけどね、階段を登っているのにいっこうにソイツのところに辿り着かない。
そんなワケないんだ。幻覚を見せるスタンドももう居ない。
やたら長い階段でもない。なのに辿り着かない。
からしょうがない、アタシもね、気が短いもんだから
エイやッ!
と駆け上ったんですがね
いつのまにやら、後ろを向いて階段を降りていたんですね、ええ
だって、オカシイじゃないですか?
こっちは確実に登ってるつもりなのに降りている。
ここのお客さんもアタシが何を言ってるかわからないかも知れませんがねぇ
断じて超スピードとか催眠術の類のモンじゃぁないですよ、ありゃあ・・・
もっとナニか、恐ろしいモンなんでしょうねぇ・・・きっと・・・。
そんなありのままのお話です。

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