追跡

その時、私たちは追われていた。彼らは執拗に追跡を繰り返したが、私たちが慎重に逃走ルートを選択したため、いくら彼らでも捕らえることは難しいようだった。
「博士、大丈夫ですか?」
「はぁはぁ、もう、もう、大丈夫じゃ、てかdieジョーブ博士、なんちて」
「こんな時に無意識下連想の言語化はやめてください!」
「あいや、すまぬ。」
「ところで一体、ヤツラは何者でしょう?」
「うむ、ワシも同じことを考えていたんじゃ。しかし、心当たりが多すぎて皆目見当がつかぬ。なにしろ、読むものが読めば相当危険な研究だからな、ワシの研究は。」
「ケツにパイプ挿したまま*1、何言ってんだか。ところで、コレからの逃走ルートですが。」
「うむ、君の判断に任せるよ」
「では、ヤツラでも気づかないような逃走ルートを考え出したので、説明します。まず、ここから遠距離バスでニューヨークへいきます。」
「ニューヨーク?」
「ほら、波多ようくが目指している場所ですよ。」
「ああ、あのニューヨーク。」
「ああ、って、なんでその説明で納得だよ。で、ニューヨークから逆アメリカ横断ウルトラクイズで僕の故郷の日本へ渡ります。ここなら、僕の知り合いがかくまってくれるでしょう。」
「ちょとまて、なんだ、その逆ウルトラアメリカクイズ横断ってのは?」
「語順がメチャクチャです。逆アメリカ横断ウルトラクイズです!」
(続く)

*1:博士はまだ完治してない