柳沢ツヨシの孤独

ツヨシはコンビニのバイトでへとへとになりながらも、
真っ暗な部屋の電気を手探りで点けながら、いつものように
ノートパソコンの前に座り、電源を入れる。持ち帰った期限切れの弁当を
食べながら、黙々とキーワードを手入力していると、
ポストに手紙が入っていたことを思い出し、その封筒を取り出してみる。
宛名を見ると懐かしい母親の字であった。
上京してからはや6年。商材をアフィリエイトで紹介するサイトの運営は
当初、もっと楽に稼げるはずであった。しかし、その目論見は外れ、
ネットでは晒される始末。そんな鬱屈とした日々を送っていたツヨシには
母親からの仕送りと手紙は心の支えであった。
ツヨシは嬉しさと母親に対する申し訳なさが交錯した心境のまま便箋を開いた。

前略、
母さん、ツヨシ、元気、父さん、倒れた、脳卒中、大変、仕送り、今月、不可能、父さん、体、動かない、介護、ひとりで、トイレ、無理、オムツ、無修正、母さん、大変、林由美香、生活苦、父さんの工場、社員、給料大変、村西とおる、母さん、パート、食いつなぐ、Not心配、お金欲しい、熟女、ビデオ、出演、可能?、かっこわらい、核爆、←冗談×2、だから、母さん、お金稼ぐため、アフィリエイト、始める、ツヨシ、先輩、母さんに、ご指導ご鞭撻、お願い、←核爆、飲尿プレイ、
               かしこ、

ツヨシは静かに手紙を破り捨てた。