再録 年末特別インタヴュー:アコギーナ博士を迎えて -「平和の世紀」

注:担当の編集者が失踪し、原稿の一部が未回収のためインタヴューの一部しか掲載できないことをご了承下さい。
                                         - 編集部一同

インタヴュアー(葉梨 菊太郎):「なるほど、そうすると女性はコミュニティ・キーパーとしての性質をもともと持っていると?」
アコギーナ・シローツ博士:「そうですね、生物学的な特徴から女性は幼体を生み育てるため、どうしてもコミュニティを維持する役割を担っているわけです。」
:「女性が子供を育てるということを社会的役割として位置づけることは議論を呼ぶ考えだと思うのですが・・・」
:「確かに現代ではそのような考えは必ずしも肯定されるものではありません。しかし、文明の黎明期においては現代のような女性と男性の性差をフォローするような倫理的・物理的・政治的手段はまだ確立されていませんでした」
:「と言いますと?」
:「生物学的な理由から人間は生まれてからもある一定期間は生育のために親からの保護が必要です。他の生物であればオスとメスが共同して幼体を育てるケースの場合もありますし、逆にオスが専属で養育に携わる場合もあります。ところが哺乳類はその名の通り、雌雄間では幼体に対する体構造の利便性が異なり、メスは子育てにおいて特異的な肉体的特長、つまり、幼体が生育するのに必要な非常に栄養価の高い『母乳』を与えるのに適した部位を備えています。」
:。o 〇(ああ、おぱいのことね)「つまり、オスよりメスのほうが機能的に子育てに向いていると?」
:「その問いに対してはとりあえずここでは"イエス"と答えておくべきでしょう。」
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:「さきほど博士はコミュニティを形成する哺乳類ではメスの方が子育てに向いていると仰いましたが、むしろ社会性が高い動物であれば、お互い助け合って幼体の育成に寄与し、メスが専属的に子育てに関与しなくても済むように思われますが?」
:「確かに一部のボノボなどの霊長類や旧世界ザルなどでは集団で子育てを担当するケースが見られます。しかし、その場合でも主に参加するのはメス、もしくはまだグループ構成に正式な参加が認められていない未成熟なオスだけです。これはいかな高度な社会性を持つ動物でも生物学的な拘束から逃れられないことを示しています。」
:「では、社会的役割における性差は肉体的な性差から生まれたわけで、それは社会性の有無とは関係ないということですね?」
:「まぁ、そういうことになりますね。」
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:「先ほどお話を伺っていて面白いなと思ったのですが、未成熟なオスも子育てに参加することが一部の霊長類などで観察されると仰いましたが、人間の社会でもそのようなケースというものは存在するのでしょうか?」
:「うーん、これは言及が難しいのですが、いわゆるコミュニティ要員、特にオスの集団として認められていない若いオスの個体は言うなれば社会的参加が認められていないとも言えるわけですね。では、社会参加に対する欲求を持っているのに、それが認められない未成熟なオスはどうするかというと、インファントの集団に参加するんですww。」
:「それは何故でしょう?」
:「集団の中で自己のポジションを見出せない未成熟なオスは、未成熟なりに自分のポジションが確立できるコミュニティを模索します。その結果、ある程度自分の力を誇示することができ、同時にコミュニティを支配できる立場に自分を置くことができる集団というのは自然と限られてくるんですね。」
:「それは・・・そのぅ・・つまり子供相手ならなんとかなると?」
:「ええ、そういういことになりますねw。ほら、よくいるでしょう、必ず広場や空き地だとか公園などで子供相手に率先して遊んでいるお兄さん。あれはいわゆる大人の社会から排除された未成熟なオスの個体の姿なのです。ところが未成熟とはいえ、多少彼のほうが子供たちより経験も力もありますからある程度のリーダーシップは取れるんですね。そこでこの未成熟なオスの個体はコミュニティ参加欲求を充足させているんです。しかし、子供たちだって成長はしますから、いづれ彼を追い越してしまう。そこで彼らは気づくんですね、あの人なんで僕らとばかり遊んでいたんだろう?仕事してないのかなぁと。やがてその事実に気づいてしまった、かつての子供たちである中学生から薄ら笑いで見つめられるような存在となってしまうんですね、彼は。まぁそれでも彼はその視線に気づかない振りをしながら、相変わらず境内で小学生相手に石蹴りしてるんですがね。」
:「なんだか・・・悲しい話ですね。」
:「そう、悲しい色やねん。」
:。o 〇(なんで急に上田正樹・・・

編集部注:博士が述べていることはかなり適当です。