俺にとって、部屋は電車だ

いぜん、エスペラント人の女の子と話していたときに、とても興味ぶかくおもったのは、日本人が自分の部屋でオナニーするのは信じられないといっていたことだ。平気なのかしら、部屋でオナるなんて。ふしぎそうな顔つきをして、そう訊いてくる彼女に、わたしはちんこビンビンにさせながらもどう答えていいのかよくわからなかった。
「それは、母親や妹に見られたり、エロ本を勝手に整理されたりするかもしれないっていうこと?」「それもあるけど、うーん、若い男の子とかがハァハァオナっているのを見ると、なんだかこわいの。ねえ、ここ部屋だよ? っていいたくなる」「エスペラント人は、部屋でヌいたりしないんだね」「しない。そんな人いないよ。みんなお風呂でヌいてるよ」。彼女のいわんとしていることは、なんとなくわかる。これはおそらく、自分の部屋に対するイメージのちがいなのだ。日本人は、自分の部屋を植草教授にとっての電車のようなイメージでとらえているのかも知れないと、そのときかんがえた。そしてその晩、彼女でヌいた。