温和な後輩を怒らせる方法 -「優作」

「あの、先輩、スポンジケーキのレシピを教えて欲しいんですけど・・・」
「ああ?あー、落ち着けぇ、落ち着くんだあ、あ、わかったか、わかるか?ええ??、あー、深呼吸するんだ、あ?そうだ、深呼吸だ」
「え?、あ、はい・・・(スー、ハァー)」
「そうだ、落ち着けぇ、よーし、一時撤退だ、ここは一時撤退だぁ、わかるか?おい、わかるか!」
「え?一時撤退?」
「そうだ、まずは牛乳とバターを湯煎して一時撤退だぁ、おまえは兵隊だ、お前だけでも生き残れ!な、わかるか!?」
「いや、よくわかんないんスけど・・・兵隊?」
「そうだ、オレがパリに修行しに行ったとき、そこらじゅうパティシエばかりだったぁ!な、わかるか!わかるか!?おい!」
「ええ、はい・・・?」
「そうだ、わかるか、ええ、おい!わかるか、そのパティシエはなぁ、その小麦粉とバターにまみれたパティシエはなぁ、自分で自分にメレンゲを打ってたんだよ!な、わかるか、おい!?」
「え?メレンゲを打つ??」
「それでオレは言った!な、わかるか!わかるか?『おい、やめろぉ、オレは関係ない!!オレはタダのしがない日本の料理人だぁ』ってな、わかるか、おい、わかるか!?そうだ、そのまま、薄力粉をふるいにかけるんだぁ、わかるか!」
「ええ、はい、かけてますけど・・・??」
「そして、オレは神を超えた、神を超えた存在になったんだ、な、わかるか、おい、わかるか!!その時オレは叫んだ、わかるか!そのいたいけなメレンゲを混ぜるなぁーーーっ!!」
「はっ?、え、まぜちゃいけn」
「そのいたいけなメレンゲを混ぜるなーーーーっ!!」
「・・・・・・ぁあー(怒)↑?」
パンッ!
出来上がり♪