早速、パネルを開き、透明なプラスチック板に遮られたボタンを強めに押す。そして、横にある通話可能ランプの点滅を待ちながら、本社に報告する内容を頭の中で整理していた。
ところが、いくら待てど暮らせどランプは点滅しない。専用線で本社と通じているであろうマイク兼スピーカーにも何の音も漏れ聞こえてこない。焦りながら、ボタンを何回か押してみたが、反応はないようだった。どうやら侵入者はこの場所を孤立させるためにあらゆる手段を用いたらしい。
背中に流れる冷たい汗を感じながらも、次に取るべき行動に考えをめぐらせていた。